建築職人が自身のスキルを活かして不動産投資に挑戦するケースが増えています。特に築古戸建ての再生は、少ない初期投資で高利回りを目指せる魅力的な投資方法です。
今回は、購入価格500万円の築古戸建てを例に、購入からリノベーション、賃貸までのロードマップ、そして実際の利回り計算や費用の内訳を詳しく解説します。
1. ロードマップ|購入から賃貸までの6ステップ
ステップ1:物件の選定(1〜2か月)
- 立地の確認: 賃貸需要があるエリアか?(駅徒歩圏、学校や商業施設が近いなど)
- 物件の確認: 築年数、間取り、構造(木造が多い)、法的な問題がないか確認。
- ポイント: 建築職人の目線で「どこを直す必要があるか」を冷静に判断できるのが強み。
購入費用: 500万円
ステップ2:購入手続き(1か月)
- 売買契約締結: 手付金の支払い(物件価格の5〜10%が目安)
- 登記手続き: 所有権移転登記費用が発生
諸費用の目安:
- 登記費用・仲介手数料・税金など:50万円程度
ステップ3:リノベーション計画(1か月)
- 現状調査: 給排水、電気配線、基礎、屋根などの劣化状況を確認
- プラン作成: どの部分をDIYで対応し、どこを外注するか決定
- コスト管理: 賃貸用なので、過剰なリフォームは避け、コストパフォーマンスを重視
ステップ4:リノベーション工事(2〜3か月)
主な工事項目と費用内訳:
- 外装: 外壁塗装、屋根修繕(約60万円)
- 内装: 床・壁紙・天井の張り替え、キッチン・トイレ交換(約100万円)
- 設備: 給湯器、エアコン設置、電気工事(約40万円)
- DIY部分: 建具の塗装、棚の設置など(職人なら工賃を大幅カット可能)
合計リノベ費用: 約200万円(外注とDIYのバランスによる)
ステップ5:賃貸募集(1〜2か月)
- 不動産会社に依頼: 地元の管理会社や賃貸仲介業者に依頼
- 家賃設定: 近隣相場を参考に家賃を決定(例: 6万円/月)
- 写真・内覧対応: リノベ後の写真は重要!
賃貸募集費用: 仲介手数料(家賃の1か月分)=6万円程度
ステップ6:入居者決定・運用開始
- 賃貸契約締結: 保証人や保証会社を確認し、契約を締結
- 家賃収入スタート: ここから安定収益が見込める
2. 費用の総額と内訳
費用項目 | 金額(目安) |
---|---|
物件購入価格 | 500万円 |
購入諸費用(登記、仲介料等) | 50万円 |
リノベーション費用 | 200万円 |
賃貸募集費用(仲介手数料等) | 6万円 |
総投資額 | 756万円 |
3. 実際の利回りシミュレーション
ケース1:家賃6万円で賃貸した場合
- 年間家賃収入: 6万円 × 12か月 = 72万円
- 年間経費: 固定資産税・管理費等で約10万円と仮定
利回りの計算式:
表面利回り =(年間家賃収入 ÷ 総投資額)× 100
実質利回り =((年間家賃収入 − 年間経費) ÷ 総投資額)× 100
計算結果:
- 表面利回り: (72万円 ÷ 756万円)× 100 = 約9.5%
- 実質利回り: (72万円 − 10万円) ÷ 756万円 × 100 = 約8.2%
4. 建築職人が有利になるポイント
①自分で工事ができる=コスト削減
通常200万円かかるリノベ費用を、DIYや知人の協力で50万円以上コストダウンできることも。
②劣化状況の見極めが早い
一般の投資家は気づかない「隠れた欠陥」や「将来的な修繕ポイント」を見抜ける。無駄な費用を防ぐことが可能。
③工事の発注者としてもプロ
外注が必要な場合も、適切な価格交渉や品質管理ができるため、信頼できる業者選びが容易。
5. リスクと対策
リスク | 対策 |
---|---|
長期間の空室 | 立地選びと適切な家賃設定で防止 |
修繕費用の予想外の増加 | 事前の現地調査と緊急予算の確保 |
入居者トラブル | 信頼できる管理会社への委託 |
家賃下落 | 定期的なリノベーションで価値維持 |
まとめ|築古戸建て投資は職人だからこそ有利!
建築職人は、不動産投資家として圧倒的なアドバンテージを持っています。
- 自分で工事ができるからコストを抑えられる
- 現場経験から物件選びの「目利き力」がある
- 施工管理能力があり、外注する場合も的確に対応できる
今回の例の場合、一般的な投資家では利回り7〜8%が限界ですが、職人なら10%以上の利回りも十分可能です。
不動産投資は難しく感じるかもしれませんが、「職人の強みを活かした投資」に挑戦してみてください!
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